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コラム

日本はすでに「移民国家」なのでしょうか?

■ この記事の要点

「移民」については、世界共通の公式な定義がありません。不統一な多義的概念です。「移民」そして「移民国家」の定義次第で、日本は移民国家なのか? 違うのか? 答えはYESでもありNOでもあることになります。
日本が「移民国家」か否かという“言葉のお遊び”より、日本に在留している外国人に関する統計数字で現状を知ることが先決で大切ではないでしょうか?
日本は、米国のような移民制度を導入している国ではありませんが、でも、移民がいる国です!

■「移民」とは:国際社会に共通する「移民」の正式な法的定義は存在していない。

国際連合広報センターのホームページには、次のように記載されています。
国際移民の正式な法的定義はありませんが、多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています。3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住と呼んで区別するのが一般的です。

これに対して、移民の国と呼ばれるアメリカ合衆国の法制度では、移民とは「永住権所持者」を指します。

では、日本ではどうなのか、政府の見解は次のとおりです。
仮に、入国と同時に在留期間を無期限で与える形態を移民として捉えるのであれば、我が国の入国管理制度というのは、我が国での永住を希望する外国人に対しては、その入国と同時に永住を許可することができる制度にはなっておりません。その意味において、我が国は移民制度をとっていないと言えるのではないかと考えております。」(平成29年2月8日衆議院予算委員会における法務大臣答弁より)
ちなみに、法務省出入国在留管理庁の官僚OBで現在は一般社団法人 移民政策研究所の 坂中 英徳 所長は次のように述べておられます。
わたしは「移民」という言葉を、世界の常識に従い、「入管法に定める永住許可を受けた外国人」の意味で用いる。米国移民法における「グリーンカード取得者」と同じ意味である。

私は、日本政府の見解は移民という言葉に対する日本人の一般的な理解と同じだと思います。なぜなら、世界の専門家の間の有力な見解「移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々」に照らせば、たとえば、若者が外国の大学に留学するケースも、商社マンが海外駐在勤務が決まって外国に転勤するケースも、「移民」に該当することになりますが、日本人の圧倒的大多数の人は、外国への留学や転勤を「移民」や「長期的移住」とは呼びませんから。

■ 日本の現状はどうなっているのでしょうか?

出入国在留管理庁(法務省の外局。略称「入管庁」)のホームページで調べてみました。

◇令和2年(2020年)末現在における在留外国人数

令和2年末現在における中長期在留者(注1)数は258万2,686人,特別永住者(注2)数は30万4,430人で,これらを合わせた在留外国人数は288万7,116人となり,前年末(293万3,137人)に比べ,4万6,021人(1.6%)減少しました。
(注1)中長期在留者=日本にいる外国人のうち、「(1)「3か月」以下の在留期間が決定された人、(2)「外交」又は「公用」の在留資格が決定された人、(3)特別永住者、(4)「短期滞在」の在留資格が決定された人、(5)「特定活動」の在留資格が決定された,台湾日本関係協会の本邦の事務所(台北駐日経済文化代表処等)若しくは駐日パレスチナ総代表部の職員又はその家族の方、(6)在留資格を有しない人」のいずれにもあてはまらない人
(注2)特別永住者=第2次世界大戦の敗戦前から引き続き日本の内地(本土)に居住している朝鮮半島及び台湾(←当時、敗戦までは大日本帝国の領域(外地)だった)の出身者とその子孫が主に対象

約290万人。読者のあなたはどうお感じですか?日本の全人口と照らし合わせれば、こんなもの? 意外と少ない? 多過ぎる?

◇2019年末現在の在留外国人数のうちの「永住者」と「特別永住者」の人数

2019年末現在の在留外国人数のうち,永住許可を受けた「永住者」は79万3164人、「特別永住者」は31万2501人です。「移民」の定義を「米国移民法における「グリーンカード取得者」と同じ意味」とするならば、2019年末現在、日本には、永住許可を受けた「永住者」といわゆる在日コリアンを中心とする「特別永住者」の合計110万人5千人強移民がいることになります

近年の永住許可件数

2015年 3万9726件
2016年 3万5595件
2017年 2万8869件
2018年 3万1451件
2019年 3万2150件
最近5年間では年平均約3万3560件。ということは、日本では近年、年間当たり3万3千人台という人数規模で毎年移民(永住許可を受けた外国人)を受け入れている状況にあることになりますね。

■ まとめ

読者のあなたはどうお感じですか? 初めて知ってビックリ?
多いと感じるか少ないと感じるかはともかく、日本は、米国のような移民制度を導入している国ではありません(その意味においては、「移民国家」ではありません)が、れっきとした移民がいる国だと言えますね!

ABOUT ME
五条光来(ごじょう あきら)
令和2年の春、それまでの仕事の退職を機に、生まれ故郷(京都市)に隣接する某都市に居を構えました。今(注:令和3年4月)現在は、長引くコロナ禍で、巣ごもり的な生活を続けながら、<風の時代>の新しい生き方を模索しています。人生最期のときまで、自分を磨いて高めながら、何かのお役に立って生きていたい、と考えています。 映画『ちはやふる-結び-』(2018年)の中で周防名人が真島太一君に言ったセリフ「本当に強い人間は周りをこそ強くする…………………後進には希望を、相手には敬意を、仲間には勇気を。時間も空間も超えて永遠になる」 この名言に倣って、読むと希望や勇気がなにかしら湧いてくる、そんなブログを目指していきます。